スペインの「食」=朝食=
スペインの朝食は遅い。
会社に行く人は、朝カフェ・コン・レチェ(日本で言うカフェ・オレ)ぐらい飲んで出勤してしまう人が多い。
仕事のカテゴリーでも書いたが、会社に朝食タイムがあるので、この時間にしっかり朝食を摂る。
家にいる人は、その時間よりもう少し早い時間に摂る。
この場合、シリアルだったり、毎朝配達される小さいバゲットだったり、様々だ。
驚いたのは、クッキーをミルクに浸して食べる人が多いこと。
マリービスケットを10枚くらい、ココアやカフェ・オレに浸して食べる。
なので、スーパーには、マリービスケットの1㎏箱が普通に売られている。
あるスペイン人の友達が「だって、ビスケットにはバターもお砂糖も小麦粉も入っているのよ。朝食にぴったりよ」と言った。
な~るほど~。
スペイン人なら知らない人はいない「コラカオ(Colacao)」という粉末ココアがある。
これで育たなかったスペイン人はいないと言っても過言ではないくらいポピュラーだ。
子供だけでなく、大人も普通に飲んでいて、これもまた、マリービスケットと同じくらい、1㎏容器(確かもっと大きいものもあったかも)が売られている。
うちは、息子をコラカオで育てなかったので、何キロのものがあるか覚えていないが、大きな大きな箱が売られていたのは覚えている。
すでにお砂糖が入っているので甘い。
日本で売られているココアの粉末より甘いと思うし、味がちょっと違うかも。
コラカオの味があるのだ。
スペインの朝食と言えば、「チューロ」かも?
日曜日の朝、父親が買いに行くのがなぜか主流。
このチューロも、細いチューロから太めのチューロと地域によって違いがあるようだ。
細長い揚げパン?揚げドーナツ?という感じ。
日本ではお砂糖をまぶして売られているが、スペインではお砂糖はまぶしていない。
熱いとろみのついたココアにつけて食べるか、甘いカフェ・オレに浸して食べる。
チューロ屋さんで食べることもできるし、お持ち帰りもできる。
お皿に山盛りのチューロがあっという間になくなる。
朝からすっごいカロリーである。
お持ち帰りには、茶色い包装紙の袋に入れてもらう。
当然油が染み出すが、油に多少強い紙なのですぐに破けることはない。
日曜日の朝、男の人がこの袋の上をつまんで持って(油っぽいのでこの持ち方しかできない)、新聞片手に歩いていると、「お~、家族がチューロを待っているぞ」と思う。
そうそう、新聞は配達制度がないので、新聞が読みたい人は朝、買いに出なければならない。
なんでも売っている小売店さんのようなところや、朝早く開けるパン屋などにも売っていることがあるので、買うのに困ることはない。
30年ぐらい前には、車で出勤する人が信号待ちの時に帰るように、信号の所に新聞売りがいた。
車の窓を開けて、口笛を鳴らすと(これがまたうまいんだ)、新聞売りが走ってくる。
皆値段は知っているので、すでに小銭は用意してある。
お釣りは一応渡す素振りはするが、たいていは「お釣りはいらないよ」と言われるのでそのままだ。
信号が比較的長く、たくさんの車が信号待ちする大通りにいつもいたが、いつの間にかいなくなっていた。
朝食の話しから脱線するが、信号待ちと言えば、車のガラス拭きも信号で止まる車を待ち伏せていた。
信号で止まると寄ってきて、「ガラスを拭くか?」と言うので「結構です」と言う。
しかし拭く。
きったないぼろ雑巾で拭く。
前が見えなくなるくらい汚い。
終わると、お金をくれ、と手を差し出す。
あれは本当にひどかった。
浮浪者のようなおじさんもいたし、明らかに未成年と思われる子供もいた。
あれもいつの間にかいなくなった。
他にも、ティッシュ売りが信号待ちをしていた。
スーパーよりも高い値段を言って売ろうとする。
最近は、「仕事がなく、住むところもありません。子供がいます。お金をください」と書いた段ボールの切れ端を持って、信号待ちをしている車一台一台に近寄ってくる。
この「訴え」が本当なのかどうかはわからない。
ただ、1回渡してしまって、その後顔を覚えられてしまい、毎回毎回せびられた人を知っている。
また、大道芸人も信号待ちの車を飽きさせない(笑)。
信号が赤になった途端、ボールやボーリングピンを空中にいくつも投げ上げたりして楽しませてくれる(笑)。
ちゃんと信号が青になる前に、かぶっている帽子を受け皿にして、車の間を通ってお金をもらう。
まあ、これはあんまり儲からなかったかも。
その人の目の前に車を止めてしまったときは、「ひゃ~、目の前だ~」(目の前の人は絶対見てるから一番払う義務がありそう・・・)。
しょうがないので、横を見てショーは見なかったことにしていた。
5番目くらいに止まっているときは「お、今日はラッキー」となる。
朝食の話しが、変な方向に行ってしまった・・・。