スペインの「食」=家庭料理=
スペインの家庭料理はかなり豊かだと思う。
よくイギリスやアメリカにはおいしい家庭料理があまりない、と聞いたことがあるが、スペインにはおいしい家庭料理がたくさんある。
日本は、家庭で和食、洋食、中華等々と、様々な国の料理を食べるが、スペインではそれは少ない。
今の若い世代は、日本食や中華が好きな人もいるので、そのような料理が出ることもあるかもしれないが、どちらかというと、スペインの家庭料理が中心と言える。
日本の台所がごちゃごちゃしているのは、和食のためのお皿類、中華のためのお皿類、洋食のためのお皿類が必要となるからだと思う。
スペインでは、丸い平皿とスープ皿で事は足りる。
メインがお皿一枚に収まるので、他に小皿が必要ない。
一品入魂スタイルだ。
例えば、ポテトサラダは、日本では小皿に少し取り分ける料理であって、決してメイン料理ではない。
しかしスペインでは、ポテトサラダがメイン料理になってしまう。
お皿いっぱいにポテトサラダを食べる。
なので、ポテトサラダの作るためには、ポテトが2キロ位は必要になる。
家庭料理には、肉料理、魚料理、野菜スープとあるが、よく出るレシピは揚げ物だ。
パン粉をつけて揚げるものから、小麦粉だけで揚げるもの、素揚げとこれもいろいろだ。
パン粉は日本のように目の粗いものではなく、小麦粉のように細かくしてある。
肉料理は圧力鍋を使って、柔らかく煮込む料理が多い。
魚料理は、焼くよりも揚げたり、オーブンに入れて作る料理が多い。
食べるのが好きなスペイン人は、自分の家の料理の話しをするのが大好きで、生唾を飲み込みながら、おふくろの味や妻の料理を自慢する。
多くの男性が、自分の母親が大好きで褒めちぎる。
スペイン人男性はマザコンだ、という人がいる。
でもそんな彼らが私は好きだ。
手放しで自分の母親の自慢をしているのを聞くのは気持ちのいいものである。
「母は偉大である」
という意識がスペイン人の多くの人にあるのではないかと思う。