スペインの「食」=飲料水=
スペインではその土地によって、水道水が飲めるところと飲めないところがある。
私がいたところでは、水道水は基本飲めない所だったので、飲み水はお水屋さんから買わなければならなかった。
水道水は、シャワーや何かをゆでる時等には問題なく、飲んでおなかを壊すということはない。
しかし、石灰含有量が多いらしく、水回りが白く固まる。
水垢というレベルではなく、「石灰含んでます!」というのが見てわかるレベルだ。
お水屋さんは、何社かあって、そこに頼むと持ってきてくれる。
1週間に1回位、頼んだお水を持ってきてくれる。
普通のミネラルウォーター(Sin gas)と炭酸入り(Con gas)があって、「炭酸入り」という言葉ではなく、「ガス入り」という言葉になる。
初めて飲んだ時は、サイダーの甘くないやつ、みたいな感じでなじめなかったが、いつの間にか、のどが渇いたときなどはとてもおいしく感じるようになっていた。
ガラス瓶に入った1リットル入りの瓶は、日本でもよくあるプラスチックのビール瓶入れみたいなのに入っていて、これは交換制だ。
空の瓶をケースに入れて玄関の外に出しておくと空の瓶の本数を補充してくれる。
交換しないなら、ペットボトルを注文する。
小さな500mlから1.5リットル、そして大きな5リットルもある。
これらすべて、炭酸入りとなしとある。
マンションの場合、誰かがおうちにいる家庭は、下からインターホンで何本いるか聞くが、いない場合は上まで行って、外に出されているもので確かめる。
私はペットボトルを買っていたので、いつも玄関の外に敷いてあるマットの下に、お金と置いておいてほしい水の種類を書いておいた。
時々増えたり減ったりしても、いつもちゃんと対応してくれる。
その上、私が忘れて何も置いていない日でも、大体いつものパックを置いて行ってくれたりした。
(お金は次回払う)
なので旅行などでいない時は、「今日はいりません」と書いておかないと、優しいので置いて行ってくれてしまう。
最後の10年ほどで来てくれていたお水屋さんのおじさん(声がとても素敵な人だった)は、うちのマンションには朝イチで来ていたのだが、時々私がお金を置き忘れて出てしまい、車でガレージを出た時に「ごめんなさ~い。2パック置いておいて~」と言うと、ちゃんと2パック置いておいてくれる。
私の顔と家が一致しているらしい。
まあ、あまりオリエンタルな女性がいる家は少ないからかもしれないが、それにしてもすごい。
100軒以上が入っているマンションである。
おうちに誰かがいて直接お金を払う場合は、「お釣りはいりません」というのが基本かもしれない。
まあ、1ユーロ以下の小銭をあげる、という感覚で、よく日本人に聞かれる「何パーセント」という感じではない。
お水屋さんが来ると、水の瓶がカチャンカチャンという音が外から聞こえて、「あ、お水屋さんが来たな」とわかる。
私は炭酸入りのお水が好きだった。
メーカーによって、炭酸に差がある。
私は大きな粒の炭酸があまり好きではなく、細かい泡の炭酸が好きだ。
レストランに行くと、違うメーカーのが飲めてそれも面白い。
一番好きなのはイタリアのペレグリーノ。
最近、日本でも売っていることがわかってとても嬉しかった。
この間久しぶりに飲んだら、やっぱりこれが一番おいしいと思った。