スペインの「いろいろ」=返品天国=
スペインではほとんどの購入した商品が返品できる。
もちろん、条件としては、購入した際の領収書を持ってくること。
お店や品物によっては、返品期間が設けられていることもある。
万が一開封してしまっても返品できる。
返品できないものは、下着、水着、本、CD、DVD、パーティー用の小さなバッグ(1回使って返品する人がいるらしい)、履いて外出したことが明らかにわかる靴、化粧品などだろうか。
本当に簡単に返品できてしまうし、そのままさしてチェックもせずにまた店頭に並ぶので、買うときにはよく注意しないと、汚れがあったり壊れていることがある。
もちろん買った後にそれがわかれば、また返品すればよいのだが・・・。
洋服など買おうかどうしようか迷っていると店員が「買ってお家で着てみて、似合わないと思ったら返品してよ」と言う。
30年以上住んでいても、そう言われるまでそのことに気がつかないということは、潜在意識と言うのは本当に濃く自分の中にしみこんでいるんだなと思う。
「これとこれ、どっちにしようかな~」と悩んでいると、「両方買っていって、気に入らないほうを返品すればいいじゃない」と提案してくれる。
「お~~~!そんな手もあったのか!」
と半ば尊敬の念を抱いてしまう。
普段返品期間が15日以内と言うところでも、クリスマスの時期は違う。
12月頃からレイエス用のプレゼントを買う人が多くなるので、返品期間は、レイエスの終わった後までとなる。
1月10日頃まで返品期間が延びるのだ。
そして、「プレゼント用チケット」なるものが存在する。
これは、値段の書いていない領収書で、購入したお店が発行する。
プレゼントにこれをつけておくと、プレゼントをもらった人が、「サイズが違う」「色が気に入らない」等々の理由で違うものと交換したいとき、このチケットと品物を持ってお店に行くと、その値段以内のものと交換できる。
もちろんこの時点でいくらだったかわかってしまうのだが、まあそれもいいのだろう。
私の友達などは、彼女の夫へのプレゼントを悩まずに買う。
「これが似合うかな~」「気に入ってくれるかな~」などと悩むことはない。
自分の予算内のなんでもいいので、プレゼントするのだ。
もちろんプレゼント用チケットをつけて。
彼女の夫は、「ありがとう~」と言って彼女にキスをするだろう。
でも次の日彼はお店に行って、自分の好きなものと交換するのだ。
そして、嬉しそうに妻に言う。
「君のプレゼントをこれに交換してきたよ~」
レイエスの次の日からはバーゲンが始まるので、うまくいけば、1つのプレゼントを2つ以上のものに交換することができる。
レイエスの前は、お店が品薄になり、狙っていたものがなくなることもあるが、レイエス後に再びお店に並ぶことがあるのは、誰かが返品したからだ。
その上バーゲンが始まっているので安く買うことができる。
こんな時は、品物を買う前によ~くチェックする。
壊れていないか、シミなどついていないか、よくよくチェックする。
何もなければこれはラッキーなお買い物になる。
ファンデーションの跡がついていたり、口紅がついていたりすることもある。
フェイスカバーの習慣がないので、と言うか日本以外でフェイスカバーの習慣があるのはどこだろう。
あれはとても良いものだと思うが、スペインにはないので、よくそういう汚れがついている洋服がある。
「汚れがある」と店員に言うと「あら、これ洗えば取れるわよ」と言われる。
「これは大変申し訳ございません」とか「汚れがあるからお安くします」とは言わない。
「いやなら買わなければ良い」という感じだろうか。
だから言わないほうがいい。
見つけたら黙って元あった場所に戻す。
怒ったら負け、のスペインだ。