スペインの「教育」=保育園・幼稚園=
スペインには保育園がかなりある。
特に母親が仕事をしていなくても預けることができる。
ゼロ歳から5歳までの乳幼児を預けることができる。
園によって保育料はだいぶ違う。
私も長男を預けて仕事をしていたので、だいぶいろいろな保育園を見学させてもらった。
スペインの離乳食はポタッヘと呼ばれる野菜ポタージュ。
入っているのは、ジャガイモ、カボチャ、ズッキーニ、玉ねぎ、にんじん、トマト。
これが、保育園でも昼食に出る。
これは保育園だけではなく、高校になるまで学校給食でまず出るものはこの野菜ポタージュだ。
スペイン人の体の基礎となっているのがこのポタッヘ。
離乳食はこれに少しずつ肉や魚が入っていく。
そして、離乳食初期には裏ごししたもの、裏ごしと言うか電動ミキサーでピューレ状にしたものを与える。
保育園は5歳までいることができるが、たぶん多くの子供が公立の幼稚園に通うことになる。
なぜなら、幼稚園でも給食がでるところもあるし、午後も預かってくれるところがあるからだ。
公立の幼稚園は、世帯収入の低い家庭から給食を食べる権利がもらえる。
学校によって給食の数が決まっているので、例えば100名分の給食が提供できるところでは、世帯収入のリストの低い順に100人の子供が給食を食べることができる。
給食費も世帯収入によって変わる。
私立の幼稚園は、やはり3歳から5歳までだが、朝から午後4時頃までの保育時間。
幼稚園から高校までの一貫校が多いので、幼稚園児も高校生と一緒のスクールバスに乗って登園し、同じ時間に降園する。
もちろん帰りのバスではぐったり眠ってしまっている。
小さい子供がかわいそう、と思ってしまうが、案外大丈夫なものである。
そして、これがあるために、母親が仕事をしやすいのだ。
殆どの公務員は8時から15時勤務なので、十分子供が下りるバス停まで間に合うのだ。
公務員ではない人でも、会社とやりくりしたり、なんとかする。
子供が10歳か12歳ぐらいで、母親が迎えなくてもバスを降りてから自分で家に行ってもよくなるので、こうなればもうだいぶ楽だ。
そう、殆どの学校でスクールバス通学。
公立はその地域の子供たちが行くので徒歩だが、私立はスクールバスで通うか、親が学校まで送り迎えをする。
保育園や幼稚園の行事も日本と同じようにあるが、全体的にゆるいので、日本のようにきっちりと完成したダンスや劇をやることはない。
できる子がいたり、できない子がいたりするが、それはそれでほほえましい。
でも、幼稚園児は本当はもっといろいろできるのに、と思う気持ちもある。
両方の中間をとって・・・と言ったところが一番皆が楽しいのではないだろうか。
だが、順番を待つことを教える日本の幼児教育。
手洗い、うがいの習慣を教える日本の幼児教育。
何かができるようになる喜びを教える日本の幼児教育が私は大好きだ。
東北大震災の時に、「日本人はこの事態でもスーパーで並んでいる」と世界から賞賛を受けたが、これはひとえに日本の幼児教育がもたらしたものだと個人的に思っている。