選手村のランチ

選手村のボランティアは本当にラッキーだった。

ボランティア専用の食堂があって、そこで温かい食事が提供されたのだ。

他の競技会場などではお弁当が配られたのに。

 

選手用の24時間営業の食堂とは別に、ボランティアだけでなく、セキュリティーの人たち、ハウスキーピングの人たちなどがその食堂を使っていた。

 

ボランティア以外はお金をもらって仕事をしている人たちだ。

セキュリティーの人たちは若い人が結構多くて、ハウスキーピングの人たちは様々な国籍の人たちがいた。

オレンジ色の制服でとにかく目立つ。

 

この食堂は朝食、昼食、夕食の時間帯だけ入れるようになっていて、ボランティアが利用するのはだいたい昼食だ。

11時半から確か2時半までだったかな。

選手村のボランティアと言っても、いろいろな活動場所があって、私のように1つの国の担当になる言語サポート(と言えば聞こえはいいが、まあ何でも屋だ)のボランティア、居住棟の下で、選手の部屋などのお困りごとのサービス部門、食堂関係部門、チェックイン部門、ボランティアをまとめる(?)部門などなど、なんだか本当にたくさんあった。

 

食堂では2種類のメニューがあって、1つは定食(ごはんかパン、汁物、主菜&副菜)、もう1つはどんぶりものだった。

日替わりで、チキンだったり豚肉だったり・・・。

パンだとバターとジャムみたいのがついていた。

最初に見た時は「少な!」と思ったが食べてみるとそうでもなかった。

そうそう、あと飲み物が1本選べる。

オリンピックのスポンサーはコカ・コーラだったので、ここが出している飲み物が並んでいる。

コーラ、緑茶、アクエリアス、そしてコーヒーはなぜかCosta Coffee。

このブラックがおいしくなくて、私はいつもこれのカフェラテを飲んでいた。

昔のコーヒー牛乳みたいな感じでおいしかった。

 

研修の時から、「食堂では話をしたいかもしれませんが、コロナ対策で、黙食をお願いします」と言われていたので、ものすごい数の人が食事をしているのに、かなり静かだった。

まあ、もちろん構わずしゃべっている人たちもいたけどね。

 

食べ終わって、テーブルに突っ伏して寝ている人もいた。

テーブルは1人1人パーテーションがあって、そのあたりは一応徹底していたように思える。

 

スポンサーの明治がアイスクリームを出してくれていて、小さなバニラアイスを1個食べることができた。

アイスキャンディー(ガリガリ君のような)もあった。

アイスなんてあまり食べない私が、ここでは毎回食べていた。

暑い選手村では本当にこのアイスが嬉しかった。

 

その上このアイス、「ボランティアしか食べられない」のだ。

セキュリティーの人も、ハウスキーピングの人も食べられない。

アイスの入っているケースの横には、ボランティアの一人が座っている。

この人の目を盗んで、ボランティア以外がアイスを取ることは難しい。

 

しかしこれはかなり不評だったようで、すぐにボランティア以外でも食べられるようになった。

でも確か、すぐに「バニラアイスはボランティアのみ」「そのほかの人はアイスキャンディー」みたいなことになった。

アイスの方が単価が高いのかしらね?

 

でもアイスキャンディーは3本まで食べていいことになってた。

3本誰がたべるんじゃい!って思ったんだけど、どうやら若い子たちは食べてたみたい。

2本目食べてる子は見かけましたよ。

 

ただこのアイス、遅く行くとなくなっていることがある・・・。

 

ホントにちっちゃなミニカップなんだけど、なんか毎日これを楽しみにしてたのよね。

 

私だけでなく、他のボランティアたちもそうだったみたい。

 

お金もいただけず、ただただ毎日暑い中を走り回って、食堂のミニミニアイスを楽しみにしているボランティアってやっぱりけなげだな~と思ったよ。