泣きたい夜
時々泣きたい夜がある。
何かがあったわけではなく、いや、もしかしたら何かあったのかもしれないけれど、小さな何かがあったのかもしれないけれど、それを知りたくなくて、見ないようにして、でもやっぱりちょっと悲しみは無視できなくて。
時々泣きたい夜がある。
若い時みたいに、すぐには泣けない。
ドラマとか見てて突然涙が出てきてその時に、自分の持っている感情に気づくことがある。
ああ、私は本当は悲しかったんだな、と思うことがある。
子供の頃のように、すぐには泣けない。
それは強くなったから?
それとも泣いたって解決しないってわかったから?
歳をとると涙もろくなるけれど、自分の事には涙はあまり流さなくなる。
小さい時や若い時は、自分の事に涙を流したけれど、他の事に涙することは少なかった。
なんか逆になるんだね。
おもしろい。
ほんとに何もないんだけどね、なんだか泣きたい。