日本の有給とはなんぞや・・・?

「風邪をひいて仕事を休むので、有給にしてください」

って、おかしくないですか?

 

有給って病気をした時のためにあるものだろうか?

 

スペインで20年近く仕事をしてきた私には、日本の有給がよくわからない。

スペイン企業で仕事をしてきたので、スペインの法にのっとって、休暇を取ってきた。

正社員となって1年が経つと、会社によって違うが、殆ど30日の休暇の権利が与えられる。

職種によって、丸々一ヶ月取れるところもあるし、一週間ごとにチームで相談して取ってほしいと言われるところなど、本当に様々だ。

最初に私が勤務していたところは、7月から9月の間に1か月まとめて取ることになっていたので、夏以外に休暇を取ることはできなかった。

 

それでは風邪をひいたりしたときは、どうしていたのか。

 

病院に行き、証明をもらって会社に提出するのだ。

例えば、朝起きたら熱があったとする。

会社には電話で連絡をして、病院に行く旨を伝える。

社会保険で決まっている自分の居住地の決められた病院に行き、診察を受ける。

そして、先生に熱があって今日は仕事に行けないと思うと伝え、医者がそう判断すれば、証明(Bajaという)を出してくれる。

つまり俗にいう「ドクターストップ」だ。

「ドクターストップ」というと、とても大変な病気のように思われるが、スペインではいとも簡単に入手できる。

病気によって、3日間とか1週間とか出してくれるので、その紙を会社に提出しなければならない。

本人が持っていけない場合、家族が持っていくこともある。

今の時代なら携帯から送信することもできるだろう。

 

これがあればその証明書に書いてある期間は堂々と仕事を休める。

これは休暇にカウントされない。

 

もちろん、この証明書は社会保険の病院の先生だけが出せるもので、病院のハンコと先生のサインがなければ無効になる。

 

私が日本に帰国してから、熱を出して仕事に行けなかった時などに、「じゃあ、有給にしておきますね」と言われて、「なんでそちらから、私の有給を決められちゃうの?」と思った。

有給はどうしてもしなければならない用事や、自分の楽しみのために使う日のような気がしているのは、やはりスペインでの仕事の年数が明らかに多いからだろう。

 

それでは日本人はそれで満足しているのだろうか。

有給を使いたくないがために、無理して出勤してしまってはいないだろうか。

有給をためておきたいために、無理して休みを取らずに出勤してしまっていないだろうか。

 

人間なら風邪もひくし、けがもする。

 

仕事をしていてもしていなくても、これは誰にでも起こることだ。

気をつけていても風邪をひいてしまう。

そんな時、有給を使わずに休めたほうが嬉しくないだろうか。

 

定期的に病院に行かなければならない人もいる。

それでも仕事も続けなければならない。

 

そういうシステムは日本では作れないのだろうか。

 

有給は、病気の時に使う日ではない。

有給という言葉が良くないのかもしれない。

 

休暇という言葉にすればよいのか。

 

誰かが休んでも、周りでカバーできるような仕事の環境、「お互い様だよね」と言って周りでカバーできる仕事の環境だったらいいのに、と思う。