刺青お断りについて

日本は以前から公衆浴場には刺青をしている人は入場が断られるルールになっている。

これは、昔(昭和の初めとか?)刺青をしている人は全てヤクザ関係の人達だったからかと思う。

刺青をしたヤクザ関係者がいると、周囲の人が怖がるので、という理由だったと思う。

なぜなら、刺青をしている人が感染症を患っているわけではないので、一緒に入ったところで何も起こらないかもしれないし、「ヤクザは怖い」は一般論であって、常に危害を与えるとは限らないのだ。

 

その後、プールなどにも「刺青をした人は入場をお断りします」という文字が入り口に掲げられるようになり、刺青をした人はプールも温泉にも入れなくなってしまった。

 

しかし、今の時代、「タトゥー」というものが流行り始め、ヤクザさんたちがしていた龍とか蛇とか?のいわゆる「刺青」ではなく、好きな絵柄や好きな言葉を体の一部に入れる人が多くなった。

 

私が住んでいたスペインでも若い人たちから既婚者までかなりの割合でタトゥーを入れていた。

スペインだけではない。

特に考えず、ちょっとカッコよさそうだから、好きだから、という簡単な理由で男女問わず入れている。

 

スポーツ選手などもよく入れているので、それを見た人たちが真似をするケースもあるかもしれない。

 

この外国人たちが日本に来て温泉に行った時、プールに行った時、彼らは入場を断られているのだろうか。

 

「危害を加えるかもしれない人」として入場を断られるのだろうか。

そして、日本のこのルールを理解することができるのだろうか。

 

そういうものなんです、これが日本のルールなんです、と言ってしまえばおしまいだが、それでいいのだろうか。

 

ルールというものは、時々見直さなければならない。

100年前に作られた法が今の時代に合っていない場合は、今の時代に合ったものに変えていく方がよいのではないだろうか。

私達が法に合わせるのではなく、法によっては改正したほうが良いものがたくさんあるような気がする。

 

私はタトゥーは好きではない。

自分の体に入れるつもりはないし、素敵だとは思わない。

ただこれはあくまでも個人の意見だ。

 

ヤクザさんたち以外で、素敵だと思う人がタトゥーを入れて、「でももう温泉いけないんだな~」「皆でプール行けないんだ」となるのはちょっと違うような気がする。

 

そして、ヤクザさんたちだって、皆が皆危害を加えるわけではないこと、そして実は刺青は入れていないけれど、一般の人がお寿司屋さんや飲食店で不適切な行動をしたりして周りに迷惑をかける人がいることを考えなければならない。

 

刺青を入れている人、イコール迷惑行為をする可能性のある人、というのは偏見ではないのだろうか。

公にその人たちがプールや温泉を共有することを拒むのはどうなのだろうか。