スペインの「食」=チーズ=
スペインのチーズはおいしい。
スーパーのチーズ売り場でさえも、たくさんの種類のチーズを売っている。
殆どが計り売りなので、自分の順番になったら、「あのチーズをこれくらい」と言って切ってもらう。
ヨーロッパの国々から来ているものもあるので、本当に種類が豊富だ。
ゴーダチーズなどは、一番安く日常に使いやすいチーズで、これはスライスしてくれる。
食パンのもっと長いくらいの長方形のチーズを抱えて、スライサーに「ドン!」と乗せて、切っていく。
注文する単位はどちらかというと、「1/2」「1/4」という言い方をする。
1キロの1/2という注文の仕方だ。
何となく日本人の注文の仕方だと100グラム単位になりそうだ。
200グラムか300グラム。
250グラムという感覚はない。
・・・と思う。
これは、日にちでもあることなのだが、2週間という単位より、「15日間」という単位を使う。
別に2週間という言い方ないのではない。
あまり使われない、ということだ。
例えば休暇の話しになった時、「15日間休暇だよ」という。
これは日本人の中にはたぶん全くない表現方法だと思う。
さて、チーズだが、フレッシュチーズというものがあって、その名の通り「フレッシュ」なので、3~4日以内に食べないとだめになってしまう。
切ってお皿に乗っけるとまるでお豆腐で、でも食べるとチーズ。
そのまま食べても、サラダに入れても、パンにはさんでもおいしい。
柔らかくふにゃふにゃしているので、1片を指で挟んで持つと、持っていない先の方がくにゃっと下がる。
他の国から来た、ゴーダやエダムなどは、日本人にもわかりやすいチーズ。
これよりもハードなスペイン産のチーズがある。
牛のミルクで作ったチーズ、ヤギのミルクで作ったチーズ、この二つの混合と様々だ。
ヤギのミルクで作ったチーズはスペイン人の好みかもしれない。
これは周りを固めているので、包丁でしっかり切る。
周りは食べない。
このタイプのチーズを買うときは、グラムではなく、チーズの上に大きな長い包丁を置いて、今切れているところからここまで、という感じで切ってもらう。
業務用の直径50センチ位あるチーズをまず半分に切って、切り口にラップをする。
そして、切り売りする時はその切れ目からここら辺まで、という感じで切ってもらう。
スペイン人でも、全ての種類のチーズを知っているわけではない。
買うときに、「それはどんな味?」と聞いている。
そうすると、お店の人はたいてい薄~くそのチーズを切ってくれる。
そうはいっても結構な大きさだ。
そして、横で順番を待っている人にも「食べてみる?」と言って、切ってくれることもある。
この種のチーズは、ゴーダチーズよりも値段が高くなるので、買うのは7~8センチ幅位。
このチーズより、もっと固いチーズがある。
スペイン語でも「ハード」という名前がつくチーズ。
切るのにかなり力が要る。
本当にハードなのだ。
そして、その中でも私が一番好きなのは、田舎の方で売っているハードチーズ。
なかなか街中ではお目にかかれない。
とにかく固い。
まっすぐ切れない。
上から包丁をあてて切ると、チーズがぼろぼろと崩れていく。
薄くなんて切れないのだ。
でもこれがおいしい。
チーズの味の表現の仕方で、「picante(辛い)」という言い方がある。
日本語に訳すと「辛い」になるが、別に本当に辛いわけではない・・・と思う。
picanteと言うチーズは、私の語彙力の乏しさが露呈されてしまうが、「ガツンと来る感じ」「濃い味」「刺激的な味」・・・?
本当言うと、書いていてどれも違うようなどれもあっているような・・・。
スペイン語を体で覚えながら習得していったためか、いくつかの単語は日本語に置き換えて覚えていない。
チーズのpicanteと言われると、味は口の中に思い出せるが、これを日本語で何と言えるのかわからない、ということが今わかった(苦笑)。
ごめんなさい。
でもスペインのチーズはおいしい。
日本においしいチーズが身近にないのはとても残念だ。
スペインの、と言及してしまったが、ヨーロッパ国内ならどこでもきっとおいしいのではないだろうか。
オランダ、イタリア、フランスとチーズのおいしい国はたくさんある。
そして、それらの国のチーズがスペインでも買える。
オランダのゴーダチーズの燻製というのも好きだった。
ところで、スペイン人はいつチーズを食べるのか。
日常的にサンドイッチなどにも使うゴーダ等以外の固めのチーズは、前菜だ。
フランスでは食後、と聞いたことがあるが、少なくとも食後ではない。
お酒のおつまみという感じだろうか。
レストランでも、最初に頼むワインやビールと共に、生ハムやチーズが注文される。
朝食に固めのチーズを食べることはまずない。
なくても生きていけるチーズだが、あるとやっぱり嬉しいかも。