スペインの「行事」=レイエス(Reyes)=
スペインのクリスマスとでも言う日が、1月6日のレイエスだ。
クリスマス、と言うのはクリスマスプレゼントをもらえる日、ということから言っているだけで、家族が集うクリスマスイブという意味ではない。
スペインには、東方からの三賢人がプレゼントを持ってやってくる。
アリババのお話しに出てきそうな、ターバンを頭に巻いた3人の男たち(賢人らしい)がラクダに乗って子供たちにプレゼントを配る。
サンタクロースと同じで、夜、子供たちが寝ている時にやってくる。
子供たちは、12月中から彼らに、「この1年とても良い子だったので、〇〇と〇〇をプレゼントしてください」、と手紙を書く。
ショッピングセンターなどには、12月中にこの三賢人が出没して、子供たちから手紙をもらったり写真を撮ってくれたりする。
三賢人は、1月5日のお昼ごろ、各市の市長さんから、全ての家に入れるという大きな鍵を受け取り、それを使って市内の全ての家に入る。
この日の午後4時頃から街中ではパレードが始まる。
まるでディズニーランドのパレードのように、トラックなどに飾り付けをした車が大音響の音楽を流しながら通っていく。
車に乗っている人は、パレードを観に来た人たちに向かって、アメを投げる。
道路に落ちたアメを子供たちが拾いに走る。
このパレードの最後に、三賢人が現れる。
Reyesとは「王様達」という意味だ。
この夜子供たちは、レイエスが来たら食べてもらうために、クッキーを置いておく。
ミルクも置いておく。
ラクダ用にお水も置いておく。
もしかしたら、各家庭によって置くものは違うかもしれないが、とりあえず、次の日の朝には、それがなくなっていたり、かじった後が残っていたりするので、レイエスは食べているらしい。
クリスマスツリーは、12月からこの日まで飾ったままなので、プレゼントはクリスマスツリーの下に置かれている。
しかし、スペインのレイエスのプレゼントの数は、びっくりするほど多いので、ソファの上だったり、あちこちに置いてある。
子供たちだけへのプレゼントではなく、大人にもプレゼントはあるので、すごい数になる。
レイエスからのプレゼントは、おもちゃだけではなく、パジャマや下着、洋服もある。
おじいちゃんやおばあちゃん、おじさんやおばさんの家にも、「お孫さんに渡してね」「甥っ子、姪っ子さんに渡してね」とプレゼントを置いていくので、この日に受け取るプレゼントの数はものすごい。
この日の朝食べられるケーキというかパンが「Roscon de Reyes(ロスコン・デ・レイエス)」。
甘いパン生地の上に、赤や緑のピールが飾られている。
中には、小さな陶製の王様とそら豆の赤いのみたいのが入っている。
リング状になっているこのケーキのどこかに、この王様と豆が入っているので、切り分けてみて、王様に当たった人は、ケーキについてきた紙の王冠をかぶれるが、豆に当たった人は、そのケーキの代金を払わなければいけない。
このケーキ、結構パサパサしていて、残念ながらあまりおいしいと言えるものではない。
そのため、随分前から横半分に切れ目を入れて、生クリームを挟むようになった。
もちろん生クリームはた~~っぷりだ。
チョコクリームも最近では登場している。
トラディショナルなクリームなしはあまり人気がないのかもしれない。
1月7日には町中で大バーゲンが始まるのだが、レイエスが間違って大きなサイズの洋服などをプレゼントしてしまうことがあるので、それを取り換えてもらうための長い列がデパートやお店にできる。
6日の日は、外を散歩すると、レイエスからもらったプレゼントで嬉しそうに遊ぶ子供たちがいるが、7日になると、出社した同僚達が、やはりレイエスからもらったセーターだったり、シャツだったりを嬉しそうに皆着てくる。
24日のクリスマスイブ。
31日の大晦日。
そして6日のレイエス。
1週間ごとに1年のうちの3大イベントが目白押し。
6日のレイエスが終わると、「あ~、やっと終わった・・・」とホッとするのは私だけだっただろうか・・・?