スペインの「行事」=聖週間(セマナ・サンタ)=

スペインには3月終わり頃か4月初め頃に「聖週間(セマナ・サンタ)」という宗教的な行事がある。

 

その週には「聖木曜日」「聖金曜日」があって、県によってはどちらかもしくは両日が祭日となる。

 

学校は一週間お休みとなる。

春休みのような感覚だろうか。

9月が1学期の始まりで、クリスマス前に1学期が終わり、1月8日に始まる2学期は、この聖週間前に終わる。

そして聖週間が終わると3学期が始まり、6月20日頃に3学期が終わる。

 

キリスト教徒ではない私にとって、このセマナ・サンタは全く関係なく過ごしてきたので、「春休み」という感覚なのだ。

 

スペインに詳しい人や、キリスト教の人なら詳しく説明できるであろうこの「聖週間」。

キリストの死や復活などを意味を持つ行事で、プロセシオンと呼ばれる信者たちの行列が各地で行われる。

キリスト像やマリア像がこの時教会から(たぶん1年にこの時だけ)出て、信者たちが厳かにそれを担いで歩いていく。

おみこしのような感覚だが、ゆっくりとゆっくりと、像が揺れないように、担いでいる人たちが歩をあわせ、進んでいく。

信者にとってはとても感動的な行事である。

 

ではスペイン人は皆信仰が深いのか。

そうでもないと私は思う。

殆どのスペイン人が生まれた時に洗礼を受けているが、毎日曜日に教会のミサに行く人はお年寄りばかりだ。

 

このセマナ・サンタも旅行の予約が何か月も前から入るように、殆どの人にとっては良い旅行シーズンでもある。

なのでこの時期ホテルや飛行機代が結構高くなる。

 

この週は、お肉を食べてはいけないらしい。

まあ、これも多分殆ど誰も守ってはいないのではないだろうか・・・。

 

そのため、魚の塩漬けの料理を食べる習慣がある。

 

私の住んでいたところでは、塩抜きしたタラなどをじゃがいもやサツマイモと一緒にゆでて、ニンニクソースで食べる料理があった。

一か月前あたりから、この塩漬けの魚がスーパーに並ぶ。

並ぶというより、山積みだ。

皆2キロ、3キロと買っていく。

それを一晩から二晩水につけて塩抜きして調理するのだが、この具合が結構難しく、塩抜きがうまくできていないと、食後に何回も水を飲まなければならなくなる。

 

私も毎年作っていたが、このレシピよりも、次の日にこの余った魚を使って作るレシピが好きで、それをするためにいつも少し多めに買っていた。

ゆでて余った魚をほぐして、大量の玉ねぎと炒め合わせ、乾燥タイムを混ぜ、最後に卵を入れる。

ゆでたジャガイモやサツマイモと食するのだが、これがとてもおいしい。

あ~、確か粉パプリカ(Pimentón)も入れたっけ。

1年に一回しか作らないので、忘れてしまうだ。

 

しかし考えてみると、スペインの行事にはあまり興味のなかった私だが、食べることは好きなので、料理にはとても興味があって、そちらの方は忘れず作っていたような気がする。