スペインの「住」=リフォーム=
スペインではリフォームが日本より多いのかもしれない。
まず第一に、壁を定期的に塗り替える。
以前は白が主流だったが、その後、薄い黄色が流行り始め、これはいまだによく見かける。
最近は紫色を女の子の部屋にしてみたり、4面ある壁のうち、1面だけを濃い色にしてみたり。
ただ壁を塗るには、家具を全て移動させなければならない。
部屋から出さなくても、とりあえず壁から話して、ペンキが飛んでも大丈夫なように、大きめのビニールや古くなったシーツなどをかけておく。
刷毛やローラーなどはホームセンターに山のように売っているし、ペンキも大きな缶をわっせわっせと持って帰ってくる。
最近では、機械で自分の好きな色を混ぜることもできるようになったらしい。
色もきれいなものがたくさんある。
壁に穴を開けるドリルも殆どの家に1台はある。
コンクリートの壁なので、ドリルで穴を開けないと物がかけられない。
賃貸では穴は大家さんに聞いてからでないと開けられないことになっているが、それを守る人は殆どいない。
リフォーム会社もたくさんあるし、個人でやっている人もこれまたたくさんいる。
会社に属さずに(もしくは失業中)、フリーでやっている人が、リフォーム、水回り関係、電気関係、大工関係とたくさんいる。
「アミーゴ」ベースのスペインでは、「あ~、俺、それやる人知ってるよ~。紹介してあげようか?」と言う感じで来てくれるが、こういうのでちゃんとした人に出会ったことがない。
仕事はプロレベルではないのに、料金だけプロレベルだ。
家の扉を全取り換えした時もこんな感じの第一夫の知り合いだった。
1人で作っているので、完成までに時間がかかる。
その上、できたものから1つずつ持ってくる。
最初に持ってきた扉は、サイズがあっていなくて、床から3センチほど浮いていた。
「下があいてるよね?」と言うと、「浴室だからこれくらいあいていた方が、いいと思うよ」とのたまった。
「いや、おかしいでしょ」と言うと、「じゃあ、足りない下の部分に板を張ろうか」。
・・・。
「申し訳ないんだけど、やり直してくれる?」
渋々、持ち帰ってやり直した。
2枚目は、サイズは大丈夫だったが、ドアノブが微妙に曲がってついてしまった。
「ま、開けられるからいいじゃない」
・・・。
あきらめた。
3枚目以降はだいぶましになってきているが、「やめてほしい。お客さんで練習するの。」
この人は、洗面台の大理石も、設置する前に立てかけておいたものが倒れ、粉砕させている。
日本ではリフォームする人(会社)が、設置するものを全て用意するが、スペインでは、お客さんが買ってくる。
買って家に置いておき、それを設置してもらう。
トイレの便器も然り。
床のタイルも然り。
これホント大変。
大量の重たいタイルを家に運び込むのは女性一人では無理な作業だ。
まあ、大小合わせて5回以上のリフォーム経験のおかげで、私はいろんなところのメーカーのリフォーム商品とその歴史(?)を見ることができて本当に面白かったけど。
スペインのタイルの種類の豊富さは素晴らしい。
近年、ますますレベルアップしている。
フローリングそっくりのタイルや、最近では壁にもタイルを張る流行がある。
タイルは掃除が簡単だ。
ただフローリングに比べて、どうしてもひんやりとした感覚がある。
冬など下から冷たい。
日本の家屋には合わないかもしれないが、お店などにきれいなタイルが張ってあったらいいのかも、と思う。