スペインの「住」=窓・カーテン=

スペインの住居は、日本と比べて天井が高い。

古い建物になればなるほど天井は高い。

でも最近建設されたピソ(マンション)なども日本と比べれば天井は高いと思う。

 

日本に帰ってきて、カーテンのつけ外しに台が要らないことに感動してしまった。

スペインではカーテンのつけ外しに必ず台を使っていた。

台と言っても1段くらいのものではなく、3段くらいあるものだ。

 

もちろん窓を拭く時にもこれが必要だった。

日本では台に乗らなくてもカーテンが替えられて、窓も拭ける。

窓を拭く億劫さのハードルが少し下がったような気がする。

 

その家ごとに窓の高さが違うので、カーテンは殆どオーダーメイドだ。

 

昔の人ほどカーテンにはこだわりがあって、まず白いレースのカーテンを内側に、そして外側にはちょっと重めのカーテンをドレープをしっかりつけてタグで止めてきれいに整える。

採光と言う観点はあまりなく、カーテンのひだを1つ1つ整えてタグを止める。

最近の若い人はこの傾向は薄れていて、IKEAで買ってきた裾を自分で上げて、それぞれの窓の高さに合わせる人もいる。

 

ただ、まずないのが、壁の真ん中に作られて窓に短いカーテンをつけること。

わかるかな?

ベランダに出るための窓は床までの窓なので、床までのカーテンをつけるが、壁の真ん中にできている窓(腰高窓と言うんだっけ?忘れたけど)に、日本人はその窓枠から少し長いくらいのカーテンをつける。

つまり、窓自体だけを隠す大きさのカーテンをつける。

 

しかし、スペインではこれがまずない。

 

腰高窓につけるカーテンも、天井から床までの長さにする。

 

日本では、もしかしたら、カーテンの下に低めの家具が置けるためなのかもしれないが、私が受けたスペインの印象は、「カーテンは天井から床」である。

 

また、その横幅も、左右の窓枠よりももっと大きくとることもあり、窓の幅が狭くてもカーテン幅をしっかりたっぷりとる。

 

カーテンを自分で作る人も多く、生地屋さんに行くと、カーテン上部につける白い帯状のプリーツを作るものがあるのだが、様々な種類のものがあって非常に面白い。

プリーツのつけ方がいろんなものがあって、私も作ったことがあるのだが、選んでいて本当に楽しかった。

 

また、カーテンレールを隠すことも普通なので、レールを隠すために同じ生地で丈の短い(30センチぐらい?)目隠し用カーテンをつけたり、レールの上にカーテンボックスをつけたりする。

カーテンボックスもカーテンと同じ生地を張り付けていたり、DIY専門のお店や生地屋さんに行くと見ているだけでとても楽しい。

 

カーテンはスペイン人には比較的家づくりの重要ポイントなのかもしれない。

 

最近は、ブラインドと合わせて飾ったり、一枚の布がブラインドになっているものも人気で、レースのカーテンをやめてブラインドにして、その上に厚めのカーテンを飾る人もいる。

 

スペイン人にとって、カーテンは毎日開け閉めするものではなく、「飾り」なのだ。

 

全て、ではないが、マンションにも窓の外側にシャッターがついていたり、外側に開く雨戸(ちゃんと名前があるのだろうか?)みたいなものがついている。

ついていない所は、後付けで業者に頼んでつけてもらえる。

なので、この手の業者はあちこちにあって、これまたいろいろな種類の雨戸(サッシ?)がある。

 

日本の昔の雨戸のように、横にひいて収納するタイプ(かなり少ないが)、真ん中から右と左に外側に開けて、バタンバタンとならないように外の壁にストッパーがついているタイプ、上にボックスがついていて、そこに手動で巻き上げていくタイプ。

最近では電動のシャッターもでてきたようだが、まだまだ普及していない。

 

窓拭きは、とてもこまめにやる。

1週間に1回拭いている、と言う人も全く珍しくない。

これぐらい頻繁にやると、雑巾のからぶきだけできれいになるので、実は一番効率的なのではないかと思う。

 

また、スペインでは、お掃除のお手伝いさんがかなり一般的なので、お手伝いさんにお願いして1週間に1回拭いてもらっているところもある。

そして、たぶん言わなくても、お手伝いさんの中には、窓拭きは仕事の1つとして入っている。

 

しかし、スペインの窓は雨が漏る。

 

窓自体は二重窓など良いものがたくさんでてきて、外の音を遮断してくれるものなどや、横から開けることも上から開けることもできるような摩訶不思議な窓もたくさんあって普及しているが、たぶん取り付けが下手なんだろうか。

窓枠の下部分から雨がしみこむ。

水が壁を伝っていることもあったし、窓枠の下部分の壁が湿って壁がはがれてきたこともある。

 

また、窓のサッシ(一番ホコリのたまるところ)に雨がたまって外に抜けない。

水が抜けるための穴を開けてくれても、なぜか抜けない。

何回かアルミ業者に来てもらったが改善されなかったので、そこに雨水がたまる日は(南風で大雨の時)、私は必ずキッチンペーパーでサッシにたまった水を吸わせていた。

 

そんなことを第二夫に言うと「完璧な窓はない」と言われた。

「完璧な人間はいない」は聞いたことはあるが、「完璧な窓はない」??

あるでしょ、普通。

 

それもこの頃住んでいた家は、まあまあ良いところだったので、これはやっぱり施工業者の問題なのかな~と思う。