スペインの「仕事」=休暇=
スペインの休暇について。
ご存知の通り、ヨーロッパでは、長期の休暇が取得できる。
スペインでは、職種によって取得できる時期、日数に違いはあるものの、基本的には1年間に22日(労働日)程度の休暇が取得できる。
土日も含めて30日というところもあるが、まあ、約1か月は休暇が取れることになる(もっと取れる職種もある)。
ただこれは、1年間同じ会社で勤務した時に発生する権利で、1年経つ前であった場合は、勤務日数から換算してその分の日にちの休暇をとることができる。
例えば、6か月仕事をしていたのなら、11日休暇が取れるという具合だ。
ただ、職種によっては、休暇の取り方が違うので、そこは会社にあわせていかなければならない。
レストランなどが、夏、一か月閉めて、全員で休暇をとってしまうところもある。
会社によって、1か月続けて休暇をとらないようにしているところもあるし、職種によって本当に違う。
私が通っていたスポーツジムでは、全員シフト制で働いていたので、15日間の休暇を順番に取っていた。
また、私が最初に勤めていた会社では、7月、8月、9月の間に全員休暇をとらなければならず、1か月丸々とらなければならなかった。
私は休暇は日本に一時帰国していたので、このシステムは都合がよかった。
その後に勤めた会社では1年間に土日祝を含まない22日間もしくは土日祝を含み30日間。
他のスペイン人の社員は月曜日から金曜日まで5日取って、最終的には土日も休みなので計7日間の休暇とか、祝日をうまく使って休暇の合計日数が増えるように調節したりしていた。
どこの会社にも共通していることは、夏休み期間中の休暇の取得は、小さい子供を持っている人が優先されるということである。
学校は基本6月20日過ぎ頃に3学期が終了し、9月10日頃まで夏休みになるので、親もその時期に休みを取りたいのは当然である。
なので、子供がいる人は優先的に夏休みの時期に休暇がとれる。
そんなに休んでどうするの?
と思われるかもしれないが、スペインには長期滞在型の宿泊施設が充実しているので、海の近くで1週間過ごしたりできる。
値段はもちろんピンからキリだが、まあまあ十分楽しめる。
観光地のホテルなどは、プールサイドで子供を飽きさせないためのイベントが毎日あって、親がゆっくり休める工夫がされている。
夜は、食事の後に子供向けのショーがあって、歌ったり踊ったりの参加型のショーや、マジックなどが毎晩日替わりで催される。
3日ぐらいこのような場所にいるだけで、本当にリフレッシュできて、1週間もいると、仕事をしていたことさえ忘れそうである。
事実、休暇が終わって仕事に戻った時に、体に染みついていたルーティンがきれいに消え去ってしまっていて、取り戻すのに数時間かかるくらいだ。
どこにも行かず、「家の壁を塗ってたよ」なんて人もいる。
スペインでは家の中の壁は壁紙ではなく、壁を塗っているので1年に1回もしくは数年に1回塗り替える。
休暇の取得率はたぶん100%。
1日たりとも無駄にしない。
自分の持っている権利をしっかり主張する国である。