スペインの「いろいろ」=乳歯が抜けた時=
子供の歯が抜けた時、日本では「下の歯が抜けたら屋根に、上の歯が抜けたら床下に投げると、次にいい歯が生えてくる」と言われている。
まあ、これは昔の家(一軒家で縁側、縁の下がある家)でないとできないので、今はなかなか難しいかもしれない。
なので今は、投げずにとっておく方法があるようだ。
スペインでは、歯が抜けたらその晩その歯を枕の下に入れて寝る。
なぜなら、そうすると夜の間に「ペレスさん」というネズミ(Ratoncito Pérez)が、その歯と交換にお金を置いて行ってくれるからだ。
歯の買取業者というわけだ。
ペレスさんが歯を何に使うかはわからない。
でもお小遣い程度の買取代金を置いて行ってくれるのだ。
子供達はそれを楽しみに眠りにつく。
その歯を親がどうしているのかは他の人に聞いたことがないのでわからない。
日本のように、子供の抜けた歯を取っておくグッズはないので、自分でどこかに保管しなければならないが、なんとなくだが、取っておく人は少ないような気がする。
今まで気にしたことはなかったが、ちょっと今スペインの友人達にアンケート調査でもしてみたい気がする。
スペインの「食」=砂糖=
日本で普通に売っている「上白糖」はスペインにはない。
売っているのはグラニュー糖のみだ。
スペインに住み始めた時、当然まずはスーパーに必要最小限度の食品を買いに行った。
醤油はスーパーにないとしても、砂糖、塩などの調味料がまず最初に購入するものだ。
しかし、グラニュー糖はあっても上白糖がない。
どんなに探してもない。
このスーパーにはないのかな、と思ったが他のスーパーにもなかった。
しょうがないので、グラニュー糖を使っていたのだが、スペインには上白糖がないとわかるまでだいぶ時間がかかった。
しかし、慣れてしまったのか、グラニュー糖の良さに気づいたのか、日本に帰ってきても私はグラニュー糖を使っている。
実は一回上白糖を買ったのだが、湿気で固まりやすく使いづらかった。
グラニュー糖ならいつもさらさらしているし、お菓子には上白糖の方が良いのかと思っていたが全くそんなことはない。
日本は砂糖の種類が多いが、スペインではグラニュー糖かブラウンシュガーだ。
粉砂糖も昔は珍しいもので、大きなデパートのスーパーに行かないと売っていなかったが、今ではどこのスーパーでも売っている。
ただ、使う人はとても少ないと思うけれど。
人工甘味料はコーヒーを飲むところには必ず置いてある。
一日に何回もコーヒーを飲むスペイン人にとって、コーヒーに入れる砂糖の量はバカにならない。
Sacarina(サッカリン)と言われる小さな粒状の人工甘味料があって、それをコーヒーに入れる人が多い。
小さな粒だが、それで十分コーヒーは甘くなる。
カロリーはないので、だいぶ安心だが体に良いかどうかはちょっと疑問だ。
しかし、そのサッカリン入りのコーヒーを飲みながら、大好きなドーナツをほおばると、どれくらいの減量になるのだろう。
痩せるためにウォーキングをしても、その最後にアイスを食べてしまったり、ビールで一杯・・・。
かくしてスペイン人のおなかはますます膨らんでいくのである。
スペインの「食」=イベリコ豚=
イベリコ豚はおいしい。
本当においしい。
牛肉はおいしくないスペインだが、牛肉以外は鶏肉も豚肉も十分おいしい。
しかし、イベリコ豚は別格だ。
スーパーに行くと、部位によってパックされているのだが、私が一番好きなのは、Chuletaと呼ばれる骨付きの部分。
日本だとポークチョップと言う部位だろうか。
これは焼くのに骨と肉の部分が焼けにくいため少々時間がかかる。
油はひかなくてもいい。
イベリコから十分油がでるからだ。
キッチンペーパーで吸わせないといけないくらいの時もある。
じっくり周りがカリカリになるくらい焦げ目をつける。
ニンニクの薄切りを一緒に入れてもおいしい。
この焦げ目をつけたカリカリ感が最高なのだ。
そして、食べる時はできれば粗塩、ガリガリした感じのお塩を食べる時に上からかける。
肉を食べた時に、お塩をガリッとかんだ感じが本当においしい。
あまり焼く時間がない時は、Secretoと呼ばれる部分もおいしい。
これは正直日本語でどの部分になるのかわからない。
スペインで知った肉だし、肉屋さんにこれはどの部分なの?と聞いたことがない。
これはとにかく柔らかい。
マグロで言えば大トロみたいな感じだ。
骨がついていないのですぐに焼けて簡単だ。
このイベリコ豚でとんかつをしたら最高級のおもてなし料理になってしまう。
しかし、一番おいしいのはただ焼いたイベリコ豚だと思う。
同じイベリコ豚でも、はずれがある。
同じイベリコ豚のパックでも、よく吟味してから買わないと外れに当たってしまう。
脂身の少ないものはやはりおいしくない。
あの脂身がおいしいのだ。
あそこにイベリコ豚のおいしさが凝縮しているのだ。
脂身の少ないイベリコ豚はただの豚肉になってしまう。
イベリコ豚が食べたいと思っても、陳列されているパックにおいしそうなものがなかったら、さっさと違うメニューに変えたほうがいい。
このお皿の付け合わせには白いご飯があう。
焼いたときにお肉から出てくる油を少し、白いご飯の上にかける。
こんなおいしい油で太るなら太ってもいいや、と思う。
油が強いので、たくさん食べるお肉ではない。
少しを味わって食べるのがおいしい。
イベリコ豚の生ハムもおいしい。
と言うか、こちらを食べてしまうと普通の生ハムは食べられなくなる。
やはり生ハムを食べるなら、ちょっと高くてもそちらを選んだ方がいい。
絶対的においしい。
そして、これも油の部分がおいしいのだ。
イベリコ豚も生ハムも、どれを買ってもおいしいのではない。
油の乗り具合をよ~~く見て判断したい。
スペインでは、イベリコ豚は高いとは言え、日本の和牛の値段ほどではない。
どのレストランでも用意しているメニューではないので、外で簡単に食べられるものではない。
イベリコ豚とおいしい塩(Sal gruesaと言う)。
シンプルだが最高だ。
スペインの「いろいろ」=大容量=
スペインでは、多くのものが大容量だ。
ボディーシャンプー、シャンプー等の殆どが1リットル容器。
液体洗濯洗剤や柔軟剤。
オリーブオイルにいたっては、5リットル容器も存在する。
1リットルのオリーブオイルより大きめのものが家庭ではよく買われている。
牛乳やジュースなどは2リットル入りも存在する。
なぜか。
スペイン人は大容量の方が「お得感」があるからだ。
大きい容器になると、小さい容器よりも少し安くなって売っている。
どうせ買うなら大きい方がお得よ。ということだ。
しかし、シャンプーなどの液体物は1リットルになるとかなり重い。
お風呂場で、濡れた手で1リットルのシャンプーなどを片手で持ち、さかさまにして左手の掌にトロトロとシャンプーを押し出すのは結構きつい。
容器を持ちやすくしようなどと言う考えはないので、結構太った容器で私のような小さな手では容器の3分の1くらいしかつかめない。
私が買っていた柔軟剤は1.5リットルの容器だったのだが、容器自体が結構ふにゃふにゃの容器だったため、とにかく持ちにくい。
それを片手で持って、さかさまにした蓋に入れて計ろうとするともう大変だ。
ふにゃふにゃの容器なので、右手で持って入れようとした瞬間に容器をギュッと押してしまい、液体がこぼれたこともある。
それ以来、開けたばかりの、口までいっぱいに入った柔軟剤を使う時は、床に容器の底の1辺をおろし、そのまま斜めにして容器の蓋に柔軟剤を入れていた。
いやもう、ほんと面倒くさい。
ベビー用品にコロンをつける習慣があるので、それも売っているが、これも1リットル容器だ。
安いのであっという間に匂いは飛んでしまうが、アルコールが入っているから消毒、と思ってやっているのかもしれない。
トイレットペーパーも殆どの家庭で買っているのは24個入りとか36個入りのパックだ。
それをスーパーでは時々「3x2」と言って、3個買っても2個の値段というセールをやることがある。
スーパーのカートは、子供が余裕で座れるくらいの大きいカートなので、24個入りのトイレットペーパー3パックでももちろん入る。
日本よりも少しは住居が大きいこと、また、スペイン人は日本人ほど物を持っていないので、置く場所は比較的あると言える。
また、最近のマンションなどでは地下部分に各家庭の物置のようなものがあるマンションがあるので、そこに入れることもできる。
これは本当に便利で、私はそこにもちろん3パックのトイレットペーパーを保管していたし、大きなスーツケース4個も余裕で置くことができた。
近所の人は、そこに冷凍庫を置いて大量の冷凍食品を入れていた。
クッキーなども1キロ入りなどの大容量の箱があるが、いつも思っていたのは、一人で住んでいるお年寄りはこれを買ってくるのも一苦労だろうなあ、ということだった。
使うのだってきっと重いのではないかと思う。
柔軟剤で思い出したが、スペインではスーパーで柔軟剤の蓋を開けて匂いを嗅いでもOKだ。
商品を開けることに全く抵抗はないし、お店側も何も言わない。
柔軟剤に関しては、殆ど全ての人が蓋を開けてその匂いを嗅いでから買う。
もちろん私もやっていた。
消臭スプレーにいたっては、そこで「シュッシュッ!」と振りまいて匂いを嗅いでみる。
それだけではなく、箱モノも開ける。
そして買わない時はそのまま棚に戻す。
私がスーパーで買い物をするときに気をつけるのは、賞味期限(過ぎていることがある)、そして開けられた形跡がないかどうかだ。
日本に帰ってきてからもしばらくの間スーパーで賞味期限を確かめていたが、最近ではもう全く見なくなった。
日本のスーパーさん、ありがとう。
いつもしっかりチェックしていますよね。
このくらいの疑い深さとチェックを商品だけでなく、第2夫にもしていればよかった、と今更ながら思っている。
第2夫もMade in Spainの商品だったのだ。
気がつくのが遅かった。
スペインの「住」=玄関扉=
日本では玄関のドアは外に向かって開ける。
スペインでは、と言うよりたぶんヨーロッパでは、家の内側に向かって開ける。
アメリカも家の内側かな?
中国とか韓国はどうなんだろう。
いつだったか、日本のように外に向かって開けると、悪い人(?)が入ろうとしたときに阻止しにくい、と聞いたことがある。
まあ、だからヨーロッパでは内側に開けるのかどうかはわからないが・・・。
各部屋のドアだって、内側に向かって開けるのに、なぜ玄関のドアだけ外に向かって開けるのだろう。
Welcomeの気持ちを表しているのか・・・?
日本のホテルはドアは内側に開けるよね。
狭い日本の玄関で内側に開けるとそれだけスペースを取られるからだろうか・・・?
スペインの玄関ドアは全てオートロックだ。
鍵を持たずに外に出てしまって、万が一ドアがバタンと閉まってしまったらもう入れない。
鍵は内側からも外側からも鍵を差し込めるタイプで、日本のマンションにあるような、外側からは鍵を差し込めるけれど、内側からはつまみを倒して鍵をかけるタイプは見当たらない。
なので、人によっては、鍵を内側からさして置く人がいる。
こうすると外側から誰かが鍵穴に何かを差し込んで開けようとするトラブルを避けることができる。
しかし、この状態で1人外に取り残された場合、鍵を開けるレスキューを呼んでも、そう簡単には鍵を開けられないことになる。
24時間いつでも来てくれる、鍵レスキューなるものが存在するのだが、鍵穴に鍵が差さっていないとかなり簡単に開けてくれるが、そうでないとドアを壊すことになりかねない。
スペイン人で、常に鍵をじゃらじゃら持っている人が多いのは、玄関の鍵以外に、マンション入り口の鍵、駐車場の鍵、郵便ポストの鍵、車の鍵・・・などと様々な所に鍵があるためだ。
マンション入り口にはどんなに小さなアパートでも、オートロックのドアがあり、住人の誰かがロック解除のボタンを家の中から押さないとドアは開かない。
住人が出る時には、入り口ドアの内側にボタンがあってそれを押すとマンション入り口のドアが開くようになっている。
訪問者は、マンション入り口で訪問先のベルを押し、訪問先の人が「だ~れ~?」「あ、私。開けて~」「ビ~~~!(ロックを外す音)」となって開けてもらわないと入れない。
それでも「郵便で~す」とか「スーパーのチラシをポストに入れたいんですが」と言って、適当に誰かの家のブザーを押す人がいる。
本当の場合もあるしそうでもないこともあるので、誰にでも開けてしまってはいけない。
「郵便です」と言うから開けたのに、いつまで経っても来なくて、嘘だったのか、違う家に行ったのかわからなかったこともあった。
普通郵便物はちゃんとブザーを押して、お届け先の名前を言ってくれるので、たぶんあれは嘘だったんだろう。
一応変な人が入れないようにはなっているようだが、必ずそれをくぐりぬけて入ってくる人はどこにでもいるのだ。
スペインの「教育」=衛生習慣=
スペイン人は、衛生管理に弱い。
小さい頃から、手を洗いましょう、うがいをしましょう、と言う習慣がないので、家でも言われないし、もちろん学校でも言われることはない。
「外から帰ったら手を洗いましょう、うがいをしましょう」
これがないのだ。
日本人が全員しているかと言うとそうでもないが、とりあえず、小さい頃は皆そう教育されてきたはずだ。
トイレに入った後にも手を洗わない。
殆どのスペイン人がトイレに入った後に手を洗わない。
なのでハンカチを持つ習慣もない。
ハンカチ自体売っていない。
夏の暑い時期にタオルを携帯して汗を拭く、と言う考えもないのだと思う。
日本人がタオルを首に巻いて仕事をしたり、頭に巻いて仕事をしているのを見ると、「あ~いい考えだね~」と言うが真似はしない。
風邪をひいたときに医者に行っても、「うがいをよくしてくださいね」とは言われたことがない。
なので、うがいの仕方をしらない。
くしゃみや咳をするときにも口に手をあてない。
せいぜい、くしゃみをする時に下(床)をむいてくしゃみをする位だろうか。
「手をしないの?」と聞くと、「手をしたら手が汚れるじゃないか」と言われたことがある。
道路に唾を吐く人も多い。
ただ、新生児にだけはもしかしたら日本人よりも気を遣うかもしれない。
赤ちゃんが生まれてその家に行った時等は、赤ちゃんを抱っこする前に「ちょっと手を洗わせてね」と言う人が多い。
初めてこれを聞いたときはかなりびっくりした。
ただ、その割には哺乳瓶の消毒とかには気をつけていないのだが。
何事も習慣。
文化の違い。
しかしそれが考え方の違いに発展する。
基本的に、まあ大体の人がどちらかと言えば真面目なタイプの日本人。
基本的に、まあ大体の人がどちらかと言えばおおまかなタイプのスペイン人。
お互いそれを許容していないと、生活も仕事も一緒にするのは難しい。